本件は、全国小売酒販組合中央会(以下「中央会」と表記)が、私的年金制度として運用していた年金共済制度(以下「本件年金制度」と表記)が破綻して、年金加入者が、年金の受給は勿論のこと、掛金相当額の大半の返還も受けられなくなったという事案です。
中央会では、年金資金の運用のために、02年12月から03年4月にかけて、掛金の殆ど全額である総額約145億円を、僅か一つの投資対象(チャンセリー債)に集中投資しました(以下「本件投資」と表記)。「チャンセリー債」とは、伝統的な債券ではなく、「仕組み債」で、英国の法律事務所に裁判費用等を貸し付ける「特定目的会社(SPC)」として設立されたカナダ法人が発行する社債券(広義の借用証書)です(なお、同社の代表者は、別件の国際投資詐欺事件で訴追中の外国人です)。
本件投資の結果、中央会は、利払いはおろか,元本償還も満足に受けられず、資金の大半を失うことになりました。そのため、中央会では、03年12月に年金支給を停止、04年5月には本件年金制度を廃止し、本件年金制度は破綻するに至ったのです。
当弁護団では、年金制度の破綻に伴い、加入者の被った損害を回復すべく、07年1月15日(第一次提訴)、東京地裁・大阪地裁に、関係者に対する損害賠償請求訴訟を各々一斉提訴しました。今後第二次提訴を起こして、第1次提訴の原告団と合流して、ともに裁判を行っていく予定です。 |
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